「湊!!」



繁華街入り口の手前で
湊を待っていた。



「昴、どうなってんだよ!
優斗はあれから電話は…」



繋がらない、と溢すと
湊は繁華街へ歩いていく。



「お前、優斗の場所わかんのか!?」



「……昴、電話から
怒鳴り声や物が転がる音が
聞こえたんだろ…?」



「あ、ぁあ」



「なら、こんな繁華街の表通りとは
考えにくいだろ」



確かに…

表通りなら人が多すぎるせいで
優斗以外の声や音など
雑音程度でしかないはずだった。



「裏道なら、ここだろ…」



すぐに着いたのは
あの日女を見つけたような
建物と建物の小道。



「優斗…」