俺と彼女が初めて出逢ったのはまだ人々が常時着物を纏い、この街がまだ国だった時代。

そしてこの街には、その時代よりも前から街を潤している川があり。その川の水は遥か遠くにある神聖な山の雪解け水が湧き出て出来ていて。

けれどその川の原点である雪解け水が湧き出ている筈の場所には何故か辿り着かない。

人は何時しかその場所を”夢と現の狭間”と呼ぶようになり、当時ではもう探そうと思う者も少なくなった。


その在るはずなのに辿り着けない場所に、辿り着いた人たちがいた。









数百年前から眠りについている『五月七日姫』様とその守り人であった『三五月』様だ。