「美夏、近くに行ってみる?」
どうせあそこの野菜売り場に行かなきゃいけないし。
あたしが言うと美夏はくるっとあたしの方を向き
「無理無理むりー!」
と、思いっきり首を横に振った。
「絶対近づけないって!あれはもうゴットだから。
私なんかが近づいていい人じゃない!」
いや、ゴットって(笑)
なに拝めてんの(笑)
「いいから、行くよ!
トマトも買わないといけないし。」
と、いつもより高い肉をカゴの中に入れて
引きずるように美夏を連れイケメンさんたちの近くまで来た。
美夏はこれまでに見たことないような赤い顔で硬直してた。
あたしは気にせず買い物に集中する。
「トマト、トマトー、、。」
トマトを手に取ってどれがいいか見比べてみる。
「うーん、どれがいいかなぁ。」
と、集中していたら買い物かごがトマトの山にぶつかってしまった。
ゴロゴロゴロゴロ、、、、!
「うわ!」
トマトが雪崩を起こして床に散らばる。