相も変わらず毎日優は俺達を忘れてはいるものの、紙のおかげでなんとかなっている






医師も最近は明るくなっていると言っていた






「.....そーいや、明日試験だからこれないや

紙に書いとくね」






と、言い書いた






「何の試験?
えっと...高校?」






そう聞かれて首を横に降ると千紗が






「入試前の準備だよ
ごめんね、毎日来たいけど受験近から」






と、言った
優は笑顔で






「ううん、大丈夫
毎日、来てくれる...から
また、次会えるの、楽しみにする」






と言いながら紙に絵を書いていた






文字の書き方を忘れているから
思った事を絵にするらしい






鉛筆の持ち方もその絵も、まるで小さい子の様だった






俺達は必死に涙を流さないようにしてそれを見守った






彼女が書いたのは4人の人だった
皆同じ顔で、笑顔だった






髪の毛で見分けがついた






幼なじみ4人の...昔の姿.....






覚えてないはずの和人も書いてある...
きっと、手が覚えていたんだと思い空を仰いだ