「私もっ・・・・・・流也のこと、愛してるっ・・・・・・。私の、初恋の人・・・・・・。家族よりも、私を一番に愛してくれる人っ・・・・・・。」

「・・・・・・俺も、綾羽のことを愛してる。家族や、友達よりも。どんなものよりも、お前が一番だ。」

「~っ、流也、流也ぁ・・・・・・。わ、私・・・・・・記憶を・・・・・・。」

「それ以上は何も言うな。」

「ううっ・・・・・・うう~・・・・・・。」


綾羽が言おうとしたセリフは、大体わかっていたから。

記憶を忘れてしまうのが怖いと言いたかったんだと思う。

綾羽に、不安な思いや怖い思いをさせたくない。

俺ができることは、綾羽の傍にいることだけだ。

一分一秒、綾羽だけを愛し続けたいんだ・・・・・・。


「綾羽、もう帰ろう。夜遅いから・・・・・・。」

「・・・・・・嫌。」

「え?」

「帰りたくないっ・・・・・・。」

「え?!」

「・・・・・・お願いがあるの。お願いっていうか、わがまま聞いて?」

「あ、ああ・・・・・・。俺にできることなら。」

「・・・・・・私、流也を愛してる。記憶がなくなる前に・・・・・・記憶だけじゃなく、私の体と心全部で、流也を愛したい。流也のこと、覚えていたい・・・・・・!」

「え・・・・・・。」


綾羽・・・・・・。

つまり、それって・・・・・・。


「最初で最後だから・・・・・・私を、抱いて・・・・・・ください・・・・・・っ。」


・・・・・・マジ・・・・・・か・・・・・・。