「私、親のことも、友達が誰かもわからなくなってきているの・・・・・・。コンビニまでの行き方とか、パンダの体の色とか・・・・・・。幼稚園児レベルの問題だってっ・・・・・・全然わからないのっ・・・・・・!」

「・・・・・・綾羽。」


俺は綾羽の手に、自分の手をそっと重ねた。


「綾羽、俺は・・・・・・これから先もずっと、お前の傍にいる。お前が俺と別れたいと言っても、ずっとお前の傍にいる。俺は、綾羽を愛している。」

「・・・・・・!」


君にすごく伝えたかった言葉。

「愛してる」の一言。

この一言には、俺の綾羽に対する想いがある。


いつまでも、傍にいたいという想い・・・・・・。

この先もずっと、綾羽だけを愛しているという想い・・・・・・。


「お前が記憶をなくしても、俺はお前の傍にいるから。綾羽は、俺の初恋の人だ。俺の運命の女だ。これが運命なら、絶対また両想いになれるって、俺は信じてる。」

「・・・・・・りゅっ・・・・・・やぁ・・・・・・。」


その時、綾羽は強く、俺を抱きしめた。

隙間がないくらい、力強く抱きしめてきた。