綾羽のお父さんは・・・・・・俺たちのことを認めてくれない。

綾羽の過去がこんなにもつらくて苦しいこと、今になってやっとわかった。


綾羽は・・・・・・俺の傍にいたいと言ってくれた。

俺も、綾羽の傍にずっといると、誓った。

俺のことを好きだと言ってくれた。

俺も綾羽が好きだし、記憶をなくしても一生傍にいる覚悟はあったのに、そんな想いは、綾羽のお父さんの口から出た言葉で、砕けて散ってしまった。


「・・・・・・流也君。もう君は、綾羽に負担や迷惑、記憶を無理やり思い出させるようなことはしないでほしい。わかったか?」

「・・・・・・。」


記憶を無理やり思い出させない・・・・・・。

俺が今、綾羽の彼氏として、やるべきことはただ一つだ。


「・・・・・・綾羽に負担や迷惑等をかけないこと、誓います。でも・・・・・・綾羽が記憶を失っても、俺は綾羽の傍にいてはダメですか?」

「・・・・・・。」


綾羽のお父さんは険しい表情をしたけど、すぐに口を開いてこう言った。