映像が流れ始めた。


「・・・・・・。」


最初の映像は、綾羽が病院で麻酔をして、寝たきりの状態になっている映像だ。

体中にたくさんの包帯が巻かれていて、見ていると、とても痛々しい。

腕に包帯を巻いて・・・・・・血がにじみ出ているし・・・・・・。


「・・・・・・死んでもおかしくない事故だったんだ。生きているだけで奇跡だって、お医者さんは話していたんだ。」

「・・・・・・そうだったんですか・・・・・・。」


次の映像は、綾羽が目を覚まして、泣いている映像だった。

これは多分・・・・・・目を覚まして、記憶がない状態になっているんだな・・・・・・。


『嫌ぁ~!!!おばちゃん、誰?!私のお母さんじゃない~~!!!家に帰りたい~!!!』

『綾羽!おばちゃんじゃないの!私はあなたのお母さんよ!綾羽が元気になったら、私とお父さんと一緒に、おうちに帰れるの!!!』

『違う~!!!お母さんじゃない!!!』

『綾羽!隣にいるのはお父さん!私はあなたのお母さん!お願いよ、綾羽!記憶を取り戻して!』

『嫌ぁ~~、お母さん違う!!!お母さん~~!!!お父さん~~!!!』

『綾羽!!!私はあなたのお母さんだって!世界でたった一人のあなたのお母さんなのよ!』

『うわぁ~~ん!!!お母さん嫌ぁ~!お母さん、お母さ~~ん!!!お父さん~~!!!』


「・・・・・・っ。」


俺の目には、涙がたまっていて、今にもあふれ出しそうになっていた。

綾羽は目を覚ました後、記憶がなくてパニックになっていたんだ。

それで、自分の親がわからなかったんだ・・・・・・。

俺にもいつか、こんなことを言われそうで、怖くなってきた・・・・・・。