そう思っていると、綾羽のお父さんはDVDケースを開けて、DVDをセットして、テレビの電源を入れた。


「・・・・・・嫌、お父さん!!!」


綾羽が急に叫んで、お父さんの肩を掴んで泣き出した。


「嫌・・・・・・、見せないで!流也に見せないで!!!お願い!!!」

「綾羽!!!黙りなさい!!!」

「見られたくないっ・・・・・・なんでそんなの見せるのっ・・・・・・!!!それだけは、絶対に見られたくないっ・・・・・・!!!」

「・・・・・・母さん、綾羽としばらく外に出てて。流也君と二人で見るから。」


綾羽のお母さんは、綾羽をお父さんから引きはがして、部屋の外に連れて行った。


「い、嫌~っ!!!見ないで!!!見ないで・・・・・・!!!流也も、見ないでよぉっ・・・・・・!!!流也ぁ~~!!!」

「・・・・・・っ。」


俺は、何も答えることができなかった。

ただ、綾羽が泣き叫んでいる姿を、見ることしかできなかった・・・・・・。

綾羽が泣いている後ろ姿を見ると・・・・・・胸が締め付けられて、苦しくなった。


「・・・・・・あの、綾羽のお父さん。なんで俺に、綾羽の事故の映像を見せるんですか?」

「・・・・・・後で説明する。とりあえず、再生するぞ。」


俺は、テレビに視線を向けた。