「あ~、綾羽!そこはこの公式使って!」

「あ・・・・・・うん。ありがと、美緒。」


美緒と綾羽は、話しているうちにすっかり仲良くなった。

藤樹とも、馴染めるようになった。


「一之瀬、そこ。計算間違ってる。」

「え?嘘。」

「マジ。ほらここ。29+159で280にならねぇよ。」

「・・・・・・ほ、本当だ。電卓使ったら正しくは188だった。」

「電卓使うなよ!ちゃんと計算して。」


・・・・・・美緒が言っていたことがよく分かった。

綾羽は・・・・・・トップクラスぎりぎりの成績だ。

こんな小学生レベルの計算問題で間違っている。

それどころか・・・・・・漢字の書き間違いや読み間違いも多い。

基礎がわかってないってゆうか・・・・・・。

なんで、こんな問題もできないんだ・・・・・・?


「・・・・・・綾羽、ここ。間違ってる。」

「え?嘘。」

「マジだって。6と8を足して20になると思うか?」

「?」

「ハア・・・・・・。いいから、電卓つかえ。」

「・・・・・・あ、14だ。」

「だろ?」


何かと指摘が多い。