「あっ、多賀谷先生‼︎」
「おっ、藤堂。何してんだこんな時間に?
もうとっくに下校時間は過ぎてるぞー。」
「えっと、それがいろいろありまして…」
それから放課後の出来事を話した。



「そうか。
そんなことがあったんなら、明日俺も一緒に誤ってやろうか?」
先生はそんなこと言ってるけど、顔が笑っていて恥ずかしかった。
「大丈夫ですっ。」
「そんなに嫌がることはないだろう。」
「嫌がってはないんです。」
「おう。」
そのやりとりだけでもうれしかった。
でも、神様は時には優しい。
「なんか藤堂、今日、嬉しそうだな。
何かいいことでもあったのか?」
そんなの決まってる。
先生と話せたからだ。
私は意を決して言った。
「神様は、きょう、とてもやさしいんです。
だって、先生と話せたから。」
「お前はそうやって、大人をからかうな‼︎」
「からかってるつもりはありません!」
「わたしは、ただ、先生が、好きなんです!」
シーンとした。
引かれちゃったかな?
かなしいけど、後悔したくないしな。
もう、当たって砕けろだ。
そうやって、自分に言い聞かせていると、
「そっ、そうか。でも、それは、俺がいなくなってからその気持ちに気付いてほしかったな。」
「先生。私、本気です。
信じてください。」
そう言うと、私の肩を抱いてくれた。
「抑えようとしてもダメだな。
抑えらんねーや。」
「えっ?」