「母なら大地おじさんの住所を知っていると思うんですけど…


あいにく、留守にしてるんです。」


「そうですか…じゃあまた改めてお伺いしてもよろしいですか?」

名刺なんてない俺は咄嗟に、財布から車の免許証を取り出して見せた。

「分かりました。母に伝えておきます。」

これで、本当に怪しい者ではないと言うことが証明できただろうか。

俺は深く頭を下げて

畑へと姿を変えた、その場所の前にたった。




でも、なぜ彼女は大地を知っていて

鈴を知らないのだろうか…?


清人や大地がここにいたのなら、鈴だって居たはずだ…。



清人は一体、何を俺に伝えたがっているのだろうか…?



夏休み、ここにあったはずの家の裏で無造作にもぎ取った枝豆を鈴の家に届けた。



ここで清人は鈴と遊び、恋をした。