「きよちゃん、ありがとね」
翌朝、学校に行くために鈴を迎えに行くと開口一番にお礼を言われてしまった。
きっと、今朝の地方新聞を見たに違いない。
まさか、あんなに堂々と写真を撮られているなんて清人も夢にも思っていなかったから、今朝、新聞を見た父ちゃんに褒められて初めて知ったのだ。
「勘違いするな。あの写真に撮られてる奴は俺じゃない」
まさか、鈴にバレてるとは思ってもいなかったので
恥ずかしくて仕方が無い。
鈴はくすくす笑いながら、その後はその新聞の話しをしてこなかった。
でも、新聞に掲載されたことで、僅かながらも商店街に少しだけ人が戻ったようにも思える。
明るい兆しが見えてきたと
清人も栄達もホッと胸を撫で下ろした。