「清人、学校帰りに俺の家に集合だ。」
数人のクラスメイトを引き連れて、学校の昼休み栄が声をかけてきた。
「噂話しで鈴もきっと参ってる。栄んちで遊べるなら鈴も喜ぶ」
「いや、鈴ちゃんは呼んだら駄目だ。」
それは栄が鈴を思って練り上げた作戦だった。
「男以外は仲間に加わることはできない。」そう言って鈴を家までの長い道のりを1人で帰らせる事には心が痛んだ。
でもこれは、みんなが鈴のために考えてくれたことなんだ。
今だけは鈴の悲しそうな顔を見ても我慢しなければならない。
1人で帰ってくその後ろ姿を見届けたあと、俺たち6人は栄の家で活気ある商店街を取り戻すために、手作りのチラシを作り始めた。
また商店街に客を呼び込めばあんな噂もすぐになくなる。そう提案したのは栄だった。