春菜先生の家族は
突然の事故で亡くなってしまったのだ…。
娘の誕生日。
娘を喜ばせたいと、春菜先生は自宅でご馳走を作っていた。
旦那さんと娘さんは
その間、2人で動物園に行く所だったらしい…。
2人が乗っていた車は対向車線を走行していた大型トラックの運転手の居眠り運転が引き起こした事故に遭い
娘の誕生日に
2人は春菜先生だけをおいて
先立ってしまったのだ。
あの時の俺には彼女の悲しみの10分の1も理解できていなかったのだろう。
そんなに苦しい思い出なら
忘れさせてやりたかった。
忘れることだってできるんじゃないかと思った。
それは単なる俺の勝手な言い分だったんだ。
彼女は家族を忘れたいなんてこれっぽっちも望んでいなかったんだ。
悲しみの中1人でずっと強く生きていた。
