‡ 白の扉 ‡
触れたら崩れそうな その扉を
姫は、そぉっと開きます。
中にはエメラルドの瞳を持つ猫が1匹おりました。
姫が、気付かれないように様子をうかがいながら、ゆっくりと部屋に入ると
猫は振り向かずに
『姫を待っていましたよ』
とだけ言って、するすると姫の足元へ寄って来て
『これからは、ずっと一緒ですよ♪姫にどんな事があっても私は姫の味方です☆』
そう言って、姫のお供になる事を誓いました。
姫の代わりに、チラリと振り向いて
エメラルドに光る瞳は
【この先、牢獄】
の文字を捕え、その瞳の中に、スルスルと吸い込みました。