「シン、鍵がついてないのに今までここにいたのね…」


人間だった頃が姫の胸に


今ではもう、はっきりと蘇り始めます。


「もう一度、飛べるかしら?」



シンは、いつになく鋭い、優しい目を向けながら




『ですから…』



『以前申し上げたはずですよ☆』


【いつか、その姿が役に立つ】と。



『ここへはどうしても戻る必要がありましたが…』



と、金の柵に覆われた部屋を見渡しながら



『それも必要な事です』



『姫、この先から全て始まります。』




『その為に、終わらせるのです。姫の手で。』