「ねぇ、シン…」


「本当に鍵がかかっていないなら…」



「私…翔んでみようかしら?」



【わがままな手】からの


水の音が流れ続ける【雨の部屋】からの


一時の脱出


『姫の心のままに☆』



金色の柵の光が、部屋の中に満ちて



黄金の光をまとい


カナリヤの姫が、飛び立ちます。




『もうすぐ…もうすぐですよ』



シンは姫が飛び立つ時に尾を引いて残した



金の粒達を浴びながら、そっと囁きます。