「シン…私、ずぅっと…このままかしら?」



シンは尻尾を少し動かしただけで、眠ったままです。


「ねぇ、シン…」



「私たまに、夢を見るの。」



「空をね、飛んでるのよ?」



その時でした。



シンは不意に身を起こすと


『姫、夢ではありませんよ』



そう言って、金の柵をチラリと見ると




『よく、姫の目でご覧になって下さい。』




『鍵など…』




『かかっては、おりませんよ?』