《まき》
あれから1月ほどたちまして、宗一が書いた曲の魅力に釘付けの私でありますが、そろそろ三曲目が出来上がるから今日来いと言われサークルにきております。


なのになかなかこない宗一。
イライラしちゃう。



「わり!遅くなった!」


「本当だよなにしてんの?足短いから時間かかったんじゃないの?」


「ちげえわ。もう一個のサークル行ってたの!」


そんなんやってたんだ!知らなかった〜。
まあ興味ないけどさ。

「それで汗だく。やだやだ。」


「なんだよキレイな汗だろ。女の子に騒がれちゃってさ〜」

そう、宗一はモテるらしい。
身長は言ってのとおり高くないが少々整った顔に笑顔があどけない。
…らしい。

「へー。で、なんのサークル?」



「テニス。」

テニスなんか出来んだねいが…
テニス?!


そういえば祐美がテニスサークルでイケメンの先輩の名前が田端先輩とかなんとか言ってたな。


「テニスサークルに田端先輩って居る?」


「は?」


え、なんかまずいこと言いました?顔怖いよ。ねえ!


「え、どうしたの」


「俺。







俺の名前、田端宗一なんだけど?」



「えぇぇえ?!」



「なんだよ。名前も知らなかったのかよ。」

それで顔怖かったのか。
納得。

「知らなかった知らなかった。てか興味無かった。」

「うざ〜」


まさか祐美の気になってるイケメンが宗一だったとは。
やべえな。祐美に言っとこ。


「で、出来たの?」



「それがさぁ〜」

嫌な予感

「何」


「家に忘れてきちゃった!!」