「で、どこに向かってるわけ?この馬車。そろそろ説明して貰いましょうかしら?お兄様方」
「うっ、(さっきから笑ってるんだけど目が笑ってないよ〜)あー、うん。えーっと…」
「は・や・く、しろ」
「(こわ…口調が変わってる〜)大体分かってると思うけど、今日これからパーティーなんだよね。シェリーが嫌いな」
「何で?いつも行かなくて良いって言うじゃない」
理由が分かって少し落ち着いたようだ。
「それが今日はいつもと違ってさ、王宮でなんだよね。これは出席しないわけにはいかないでしょ。ましてや俺たちの家が」
なるほど。確かにパーティー嫌いな私でも出席しなくてはいけない相手であり、唯一私の家が逆らえない、いや、忠誠を誓い仕えている王家主催のパーティーに行かないわけがない。
「今回はどんな目的の催しなの?」
「ああ、それが第一王子の誕生祭らしいんだよな」
「今までやってこなかったのに珍しいね。理由は分かったわ。(と言う事はあの家に久々に寄って行く感じかしら)」
兄2人は今まで吐けなかった息をやっとの思いで吐き出し、安堵した。が、休息も束の間。
「でも、今日がパーティーだって結構前から知ってたはずよね?し・か・も王子の誕生日パーティーとなっちゃ、かなり前から綿密に計画を立てたもののはずだけど。まさか私の家がそれを知らなかっただなんて言わせないわよ」
この後、兄2人が打ちのめされたのは言うまでもない。