「ーであるからして、ーーとなる」


教壇に立っている先生の話し声が遠くに聞こえる。

教室中によく声が響いている。


「ーーい、おい!」


誰かが小声で起こしてきた。

まあ、誰だかは分かっているのでいつも通り軽く流す。というより無視だ。


いつも通りそのうち諦めると思いきや、今日は違ったようだ。

今度は軽く叩き始めてきた。

うん。これは起きないと少し面倒ごとに巻き込まれる、という学習本能により、私は起きることを決めた。


「んー、ふわあああ。眠…何さ、ルト」

「やっと起きたか」


私は机に伏せっていた体を起こし、大きく伸びをする。
もちろん先生にはバレないように寝ているし、伸びも反対を向いている時に行っている。そういうところは抜かりなしだ。