「ゆずちゃーん!」
「沙希ちゃん!」
「どーだった?新しいクラスは!友達いっぱい出来た?」
「春ちゃんと桃ちゃんと綾ちゃんと話したくらいだよ〜…、新しい友達なんて全然…」
「まぁ明日からがんばろ!あ、そーだ!ゆずちゃんのクラスかっこいい人いるよね?」
「えっ?」
「ほら、あの背の高い人!」
「宇野くんのこと?」
「えーっと、違うよ〜?高崎くん?って人!」
「あ、高崎くんか」
「ゆずちゃ〜ん?宇野くんてだぁ〜れ?」
「え…えーっと…」
「まさかゆずちゃん…一目惚れ〜?」
「えっ…!」
一目惚れ??
私が??
「ないないないない!私一目惚れなんて絶対しないもん!」
「へ〜…じゃあさ、その宇野くんって人どんな人?」
「宇野くんは…和服が似合いそうな感じで剣道部っぽくて、人見知りみたいだけど喋る人には喋るし、真顔と笑顔のギャップがもう可愛くて!」
「ふふふっ」
「な、なに!」
「ついに小沢以外を好きになっちゃいましたか〜」
「え、違うよ、好きとかじゃ…」
「だってさー?今日1日そんなけ見てたって事でしょ?」
「え…」
そうだ…私、今日ずっと宇野くんのこと…
「ま、いいんじゃない?その宇野くんて人がどんな人かはわかんないけど、聞いてる感じ女好きとかじゃなさそうだし?応援するよ?」
私…宇野くんのこと…
「…うん」
「あー!認めたー!!」
「えっ、ちょっ、沙希ちゃん!」
「へっへーん!」
15歳の春、
私は1人の男の子に一目惚れをしたようです。