その瞬間、賑やかなメインストーリーの中でパンッという乾いた音が妙に響いた。掌が痛い。
気付けばヘヴンがクロースの頬をひっぱたいていた。クロースは目を丸くしている。ヘヴンは叩いた事を謝る前に、目に涙を浮かべてクロースを見つめる。
「何にも知らないくせに勝手な事を言わないで…」
「僕はちゃんと調べて――」
「バースの気持ちを分かってない!」
弾けたように叫ぶヘヴンを、クロースは黙って見つめる。