受験の成功によって、僕は今の規則正しい生活を手に入れた。

自宅と学校と市立図書館。

これが僕の活動拠点の最たるものたちなのだが、これらが上空から見るとちょうど正三角形の頂点に近い形で位置している。しかも一辺の長さは徒歩にして10分程度というお手軽さ。

よって、毎日実に無駄のないルートで拠点を移動できるわけだ。

今となってははじまりも分からないが、とにかく僕は小学生の時から図書館に通い続けているので、それを高校生になったからといってやめる理由にはならないのだった。

この高校の志望動機はだいたいそんなところ。

習慣とは、実に恐ろしい。気がついたら僕を難関校の受験にすら突破させてしまう。