梨紗達が入学した時の3年生の学年カラーの赤。
それが新入生のものとなって2カ月。     
赤いラインの上履きや、赤いジャージを見て後輩だと思うことにも慣れてきた6月。      
           
この日学校が終わると、梨紗は晴美と遊んでいた。          
           
「ちょっとゴメンね」 

晴美が鳴っていたケータイに出て話し始めた。 

「今、梨紗と一緒なんだぁ。う〜ん…どうしよ〜。ちょっと待ってね」
           
そう言って晴美はケータイを耳から離して、  
           
「修治なんだけど、どっか行かないかって。3人で遊ばない?」    

梨紗に聞いた。    
           
指でオッケーサインを作った梨紗を見て、   

「もしもし?平気!うん。…わかったぁ。じゃあ、あとでね!」    

ケータイをパチンと閉じて、

「じゃあ地元に戻りますかぁ」        

そう言った晴美に、  

「私ブラブラしてくからぁ。見たい服とかあるし」          

梨紗は答えた。