ベットで幸輝の横顔を見ていると、不思議な気持ちになった。　　　　　

幸輝と幸せになりたいというより、自分が幸輝を幸せにしてあげたい。守りたい。支えたい。　　

人を愛しいと想う気持ちを初めて知った。　　　

「ずっと大切にするから」

幸輝はそう言って抱きしめてくれた。

この日のことは、絶対に忘れない…。



楽しいと思う時間、幸せだと感じる瞬間は人それぞれで、誰かと比べるものではない。

彼氏は、友達に自慢するためにいるのではない。

そんなことに気付かずに、欲張って勝手に寂しさを感じていた私は、本当に幼かったと思う。

人より劣っているとか、勝っているとか、幸せは誰かと比べるものではない。

そもそも幸せは、比べることのできる"もの"ではないということ……。

この時、少し大人になった。