2人はすごく自然な流れでベットの上にいた。 
           
梨紗は、こんなふうな角度から男の子を見上げるのは初めてで、ドキドキしていた。      
           
幸輝の顔が近づいてきた時

「私!ずっと走ってきたから汗が…」     

梨紗の言葉を聞いて、幸輝は優しく笑った。
そして、

「梨紗」

いつも『梨紗ちゃん』と言っていた幸輝が初めてそう呼んだ。

「幸輝…」

梨紗の言葉を聞いて、幸輝は唇を重ねた。

そして、2人は結ばれた。

梨紗は初めてだったから、幸輝が動くたびに激痛が走り、目には涙が浮かんでいた。

「しんどい?」

気遣う幸輝に、

「大丈夫…続けて…」

と答えた。

涙の意味は、痛みだけではなかったから…。
今までで一番、幸輝を近くに感じられた、幸せな時間だった。