梨紗は、モヤモヤと考えていたことの全てと、幸輝と距離を置いていることを話した。     
           
「そんな状況だったなら、距離置いて考えてみるのもいいんじゃない?」
           
「梨紗が決めたことならそれでいいと思う」  

絵里と愛子が口々に言った。純は愛子の言葉に横で頷いている。    
           
「わからない…」   
           
黙っていた晴美が口を開いた。
           
「私にはわからない…。他の人と比べて勝手に卑屈になって、それで距離置くとか中途半端なことして……梨紗ワガママだよ!………先に帰る」

晴美は1人で教室を出ていった。

地元の駅で絵里と別れて、梨紗は良平と歩いている。

「確かに、お前らしくない考えだよな」

良平の言葉を黙って聞いていた。

「まぁ、自分のしたいようにすればいいけど、意地張って後悔するようなことだけはするなよ」 

良平と晴美の言葉は、梨紗の心に突きささった。