梨紗の不満と複雑な思いは、次第に寂しさへと形を変えた。      
           
一緒にいるのに寂しいというのは、本当に辛いものだった。      
           
こんな気持ちのまま、幸輝と過ごすのが悪いことのような気がして……別れまでは考えなかったけれど、距離を置こうか考え始めていた。    
           
一緒にいれば、そのうち気にならなくなるかもしれない。そう思いもしたけれど、そんな簡単なことではない気がして、梨紗は幸輝と距離を置くことを決めた。     
           
次の日の昼休み、中庭に幸輝を呼び出した。  
           
最近の梨紗の様子からして、幸輝も何か感づいているようだった。   
           
梨紗は、今自分が思っていることの全てを話した。そして、少し考える時間が欲しいことを……。

幸輝は、黙って話しを聞いていた。

そして、「わかった」

最後にそう一言だけ言うと教室に戻っていった。