1日で梨紗のプリクラ帳は、みんなからもらったプリクラでいっきにページが進んだ。     
           
友達と彼氏が写ってるたくさんのプリクラの中で、梨紗と幸輝の数えるほどしかないプリクラは、埋もれてしまっているような気がした。

彼氏と遊園地に行った。
海に行った。     
プールに行った。   
家に泊まった。    
一泊で旅行に行った。 
           
友達の話しを聞けば聞くほど、梨紗は複雑な気持ちになっていった。  
           
梨紗が楽しく過ごした夏休み。        

でもそれは、みんなが

「ぇえ〜!楽しかったでしょ〜?」

と言う出来事ではないと思うようになってしまったのだ。       
           
部活帰りに公園で会ってたとか、ご飯を食べに行ったとか…楽しかったことなのに、みんなには言えなかった。

それは同時に、幸輝に対しての罪悪感を感じさせた。