花火大会ではなかったけれど、地元の夏祭りに2人で行けたから、浴衣を着ることもできた。  
手を繋いで歩き出した時に、目を背けながら  
           
「浴衣。似合ってる」 
           
その言葉が嬉しかった。
           
言ってくれたのが幸輝だったから、よけいに…。
           
           
大好きな幸輝と過ごした夏休み。       
楽しい思い出がたくさんできた。       
いい夏だったと思う。 
           


この気持ちを、もっと大切にするべきだったと…
少しあとに梨紗は思うことになる。