梨紗は、先輩と付き合うようになってから、学校で気兼ねなく話せるようになった。      
           
学校であまり話せなかった日は、前はそれで終わりだったけれど、今は夜メールをしたり電話もできる。        
           
それが、前とは違う。 
付き合ってるんだということを実感させた。  
           
この日、放課後梨紗は体育館の入口にいた。  
           
少しすると、幸輝と悠が歩いてきた。     
           
「やっほ〜梨紗ちゃん」
           
そう言って通り過ぎて行く悠に、梨紗はペコッと頭を下げた。     
           
「先輩!今日バイトないから一緒に帰ろ!部活終わるの待ってます」  
           
まだ少し敬語が混ざってしまう。       
           
「それはいいけど…終わるまでずっとここで待ってるの?飽きない?」 
           
「全っ然!大丈夫です!ここで待ってるんで頑張ってください!」