次の日の朝、駅のいつもの場所に晴美も絵里もいなかった。      
           
そこには、眠そうな顔をした良平がいた。   
           
梨紗のケータイが鳴った。          
マナーモードにしてなかった! そう思いながらケータイを開くと、晴美からのメールだった。 
           
『こんな時はやっぱり良平でしょ!』     
           
梨紗は少し笑ってケータイを閉じる。     
           
「おっはよ!」    
           
「おはよー。お前らいつもこの時間なの?ねみぃよ…」        
           
眠そうにそう答える良平が、隣にいてくれて嬉しかった。       
           
電車を降りて、学校までの道を歩いていると、 
           
「…で?落ち込んでるの?」         
良平が切り出した。  
           
「それがそうでもないんだよねぇ…ショックなんだけど、意外と元気っていうか…」      
           
これは強がりでもなんでもなく、梨紗の本心だった。