自分の気持ちを受け入れてもらえないというのは、本当にツライことで、今にも泣きだしそうだった。         
           
2階にある昇降口へと続く階段の下に、誰かいるのが目に入る。    
           
そこにいたのは、晴美と絵里だった。     
           
2人も梨紗に気づいた。
梨紗の顔を見れば、結果がどうだったのかなんて聞かなくても2人にはわかる。        
           
だから2人は、何も言わなかった。      
           
梨紗は、晴美と絵里の所に一歩一歩、近づいて行く。         
視界がどんどん歪んでいった。        
           
校舎についている大きな時計の針は、7時半をまわっていた。     
           
修治との約束は?   
           
行きたかったお店は? 
           
もう、声にならなかった。          
           
「帰ろっか」     
           
絵里の声で、3人は歩きだした。