5月になってすぐに面接を受けにいった所が採用となり、梨紗はバイトを始めた。       
           
部活をやらないので、 
ヒマを持て余すくらいなら…と思って始めたのだ。          
地元の駅の近くにあるアイスクリームのお店で、週に3回のペースでシフトが入っている。   
           
バイトが入ってない日は、放課後になると体育館に向かうのが日課となっていた。       
           
梨紗は、その外見で人の目をひく存在だったので、          
「今日も佐倉梨紗が来てる」         
と、バスケ部員の間で話題になることがある。
拓也がそう言っていた。
           
「それって、小沢先輩も私の名前知ってるってこと!?」       
           
「ん〜…知ってるんじゃね?わかんないけど。今度話しかけてみれば?」
           
梨紗の問い掛けに、拓也はそう答えた。