この学校に来て本当によかった。

バイバイ。      
           
約束をしなくても友達に会えた場所。
           
バイバイ、みんな。
           
ありがとう。
           
           

家に帰ると、梨紗は表紙に『想い出』と印刷された卒業アルバムを開いた。
学校ではゆっくり見る時間などなかったから。

写真を見るとその時のことが、まるできのうのことのように鮮明に甦り、また少し寂しくなった。

みんながメッセージを書いてくれたページを開く。
           
いろんな色のペンでギッチリ書かれていた。

横から書いた人もいて、「読みにくいし」クスクス笑いながらそうつぶやいて、アルバムを動かしながら全部の言葉に目を通した。