しばらく経つと、少しずつ帰り出して、人数が減ってきた。   
           
友達にバイバイと声をかけられた時、

「また明日ね〜」

と言えないことを思い出した。        
           
私達はもうここには来ない。
明日もあさっても、学校にはもう来ないのだ。 
           
『また明日』と当たり前に言えるのが、幸せなことだったのだと気付く。
           
5組の教室の前に、晴美と拓也と愛子と純が来て、7人で写真を撮った。

「外に移動しようよ」

晴美の言葉で外に向かった。

昇降口の階段を降りた所にも生徒が何人もいる。

まだ写真を撮ってない友達を見つけては、写真を撮る。その繰り返しだった。
           
気が付くと、だいぶ人がまばらになっていた。
           
「そろそろ行くかぁ」

良平が言った。

「やだー。まだ帰りたくないよぉ」

梨紗は少しでも長く学校に居たかった。