3月。        
           
卒業式までの登校日は、今日を含めてあと3日。
           
「行ってきまぁす!」
           
玄関のドアを開けると、家の前に良平が立っていた。
           
「うぃーす」

「おはよ!どうしたの?」

「あと何日かだし、一緒に行こう」

「うん!」

2人は並んで歩き出した。

駅のいつもの場所には、晴美と絵里と拓也がいる。
           
5人で遊んで帰ることは数えきれないほどあったけど、5人で登校するのは初めてだった。

なんだか新鮮で、少しくすぐったいような感じがした。
           
それと同時に、もうすぐ卒業なんだということを改めて実感させられて、寂しくもなった。   
           
登校日といっても、もちろんもう授業はなく、提出していたものが返されたりするHRでこの日は終わって、愛子と純も含めたみんなで遊んで帰った。