梨紗はソファーに座り、幸輝と過ごした日々を思い出している。
           
体育館でバスケをする幸輝に一瞬で惹かれた。

自分の幸せよりも、相手の幸せを願うこと。
守りたい、支えたい、私の想いで幸せにしてあげたいという強い気持ち。
人を愛しいと思うこと。
全部、幸輝が教えてくれた。
           
幸輝を好きになってから、毎日がキラキラしていた。         
           
初めてキスをした時のこと。
初めて結ばれた時のこと。
その時に言ってくれた「ずっと大切にするから」という言葉。    
           
絶対に忘れないよ…。 
           
いつも優しく私を包んでくれた腕も、     
           
笑顔も、       
           
声も、        
           
最後に交わした握手の時の手の温もりも、
           
一生忘れない…。