梨紗にいつも通りの生活が戻った。食欲も少しずつ回復して、見た目も前と変わらないようになった。         
           
高校生活も残りわずか。
2月は1回も登校日がない。
3月になると登校日が何日かあって、そして卒業式を迎える。
           
2月になり、数日が経ったある日。晴美と絵里と愛子と遊んで家に帰ると、家の前に原付きが停まっていた。そして思いがけない人が立っていた。
           
そこにいたのは健司。

健司を見ると自動的に幸輝を思い出す。

心臓がドクンと波打った。

私を待ってるんだよね…?
どうして?

深呼吸してから健司に近づいた。
           
「久しぶり!どうしたの?」
           
よかった…普通に言えた。
           
「今ちょっと話せる?」
           
「うん。平気だけど…。あ、家上がる?」
           
「いや。ここでいい。」
           
健司は話しを始めた。