放課後の教室で、晴美と絵里と良平と拓也が話している。
           
梨紗はバイトがあって先に帰っていた。
           
「梨紗と先輩…どうなるんだろう…」
           
「見ててツライよな…」
           
絵里と拓也のあとに、晴美と良平も言葉を続けた。

「梨紗…少し痩せたよね」
           
「明るく振る舞ってるけど、前より表情が少なくなったよな…」

ずっと見守ってきてくれていた友人達も、どうすればいいのか悩んでくれていた。

幸輝の記憶は戻ることなく、毎日が過ぎていった。気が付けば12月になっていて、幸輝の事故から4カ月が経っていた。

この日は幸輝の家に行くことになっていて、家に向かった。

呼び鈴を鳴らすと、ドアを開けたのは幸輝だった。
健司はまだ帰ってきていなかったのだ。
久しぶりに目の前に向かい合って立つ幸輝を見て、どうすればいいのかわからない。