9月が終わり、幸輝は大学に行き始めたと聞いた。
           
10月5日。梨紗の18歳の誕生日。     
晴美達がみんなでお祝いしてくれた。

どうしてここに幸輝はいないの?

ケーキのローソクの火を吹き消した時に、無意識に涙がこぼれた。

「ありがとう!…なんか嬉しくて…」

と笑顔で涙をぬぐう梨紗を見て、それが嬉し涙でないことはみんなわかっていた。