「もしも私との関係を幸輝から聞かれたら、その時は本当のことを言っていいんですか?」

「本人が知りたがっていることなら構いません。…まぁ、根気強く頑張っていきましょう」   

院内アナウンスで名前を呼ばれて、先生は行ってしまった。      
           
数日後、病院に行くと幸輝から退院できることを聞いた。
           
左腕にギブスをしてることと、梨紗を思い出していないことを除けば、もうすっかり元気ないつも通りの幸輝がそこにいる。
           
「あのさぁ〜聞こうと思ってたんだけど…」
           
幸輝の問い掛けに、  
           
「何!?」
           
すぐに聞き返した。
           
「佐倉さん…毎日お見舞いに来てくれてたけど……友達だからだよね?」
           
やっと聞いてくれた!
           
「私は……幸輝の彼女だよ。幸輝は事故に遭って私のこと覚えてないの……」
           
幸輝がそれを聞いて何と言うのか…。心臓がバクバクしていた。