帰り道、家の前に晴美と絵里と愛子がいるのが見える。会うのは幸輝が事故に会った日以来で、良平から話しを聞いていて、心配して来てくれたのだった。
           
梨紗の部屋で、みんなで話しを始めた。
           
「大丈夫?」
           
「ツライよね…」
           
「好きな人に忘れられるなんて…ごめん。私が泣いてどうするってかんじだよね…」
           
そう言って愛子が涙ぐんでいた。
           
3人が今ここにいてくれること。3人の思い。それが嬉しかった。   
           
梨紗が話しを始めた。
           
「愛子…これは泣くことじゃないんだよ。だって幸輝は生きてる。ちゃんと生きてるから…悲しいことなんてないんだよ。今は記憶が混乱してるから私のことわからないけど、明日会ったら思い出すかもしれない。明日ダメでもあさって思い出すかもしれない。希望を持って私は自分のやるべきことをちゃんとやろうと思ってる。明日から頑張らないとね!」