2人に残されたわずかな時間を惜しむかのように、必死にお互いの存在を確かめ合った。    
           
これから2人の間に何が起きるのか。     
           
すぐ近くに迫りくる運命を、なんとなく感じていたのかもしれない。  


次の日の8月8日。この日は、梨紗も幸輝もバイトがあって会えなかった。
           
「今日も暑かったからバイトすごい忙しかったぁ」
           
「アイス屋だもんな」
           
部屋の窓を開けて、夏の夜風にあたりながら電話している。      
           
きのう会ったばかりなのに、もう会いたくなっていた。
           
「明日も忙しいだろうな…。幸輝はバイトない日だっけ?」
           
「おぉ。明日は休み〜。梨紗バイト終わったらみんなで遊ぶんだろ?」