「きれぇ〜」
           
花火に照らし出された幸輝の横顔をチラッと見た。出会った頃よりも少し大人っぽくなった顔がかっこよかった。  

「きれいだなぁ」
           
すぐに消えてしまう花火が開く瞬間を、隣で一緒に見れることが嬉しかった。
           
花火を見ていると2時間があっという間に過ぎた。
           
「花火大会の終わりって寂しいよね」
           
「また来年があるよ」
           
帰り道で、そんな話しをした。
           
           
これが、幸輝と行く最初で最後の花火大会となった。