ただ、大学という場所で幸輝の世界が広がっていくのは嬉しいことでもあり、少し不安でもあった。
           
新たなスタートをきってから2カ月が経った6月。
           
この日は幸輝の部屋に遊びに来ていた。
           
「大学どお?もう慣れた?」

「あ〜。だいぶ」

「大学ってどんなかんじ?綺麗な人とかいっぱいいて…飲み会とか合コンの誘いもいっぱい…ってかんじかな?」    
           
「いろいろ誘われることは多いなぁ〜」    
           
「ふ〜ん…」     
           
幸輝はベットの上で雑誌を読んでいる。

梨紗はそのベットに寄り掛かって床に座っている。顔が見えないからこんなことが聞けたのだと思う。