―――入学式から2週間が経った。      
           
晴美も良平もクラスに馴染んでいた。     
           
拓也はバスケ部の本入部を前にして張り切っている。         
           
梨紗はクラスで一番仲がいいのは愛子だったが、男女分け隔てなく友達が増えていた。     
愛子を交えて晴美や絵里と遊んでから帰ることもあった。       
           
体育の授業からの帰りに4組の前を通ると、教室でクラスの子と楽しそうに話す絵里の姿が見えた。          
梨紗の数メートル後ろを、クラスの友達と歩いている晴美も同じ場面を目にした。     
           
良かったね。     
           
安心したような気持ちで梨紗と晴美はそれぞれ歩いていた。      
           
           
梨紗。晴美。絵里。良平。拓也。それぞれが順調な第一歩を踏み出した。