本当は今頃、2人で買い物してるはずだったのに…。         
           
歩いている時も、電車に乗っても、幸輝は何も話さない。       
           
幸輝の部屋に連れていかれた。        
           
梨紗の膝から血が出ている。幸輝が、消毒をしてバンドエイドを貼ってくれた。そしてTシャツを渡されて、破れたシャツを着替えた。     
           
「梨紗…ケータイ貸して」

意味がわからなかったけど、言われた通りにケータイを渡した。    
           
幸輝は梨紗のケータイを持って廊下に出る。  
           
  なんだろう?
           
少しして部屋に戻ってきた幸輝は、梨紗にケータイを渡して隣に座った。
           
「良平くん来てくれるから…。送ってもらって」
           
一言そう言うと、また何も話さなくなった。